築年数が経つにつれて、家の外壁は様々な影響を受け、劣化していきます。
雨風や紫外線、大気汚染など、外壁は日々過酷な環境にさらされているのです。
この記事では、そんな外壁を長持ちさせるための秘訣を、特に雨漏りによる劣化サインと対策についてご紹介します。
なぜ外壁塗装の劣化が雨漏りにつながるのか?
1.外壁塗装の役割
外壁塗装は、単に建物を美しく見せるためだけのものではありません。
実は、あなたの大切な家を雨風から守り、建物の寿命を延ばすために非常に重要な役割を担っています。
- 防水性: 外壁に塗られた塗料は、雨水が建物内部に浸透するのを防ぐ防水層の役割を果たします。
- 耐久性: 外壁を紫外線や大気汚染から守り、建物の耐久性を高めます。
- 美観維持: 建物の外観を美しく保ち、資産価値を維持します。
2.劣化が進むとどうなる?防水機能の低下、ひび割れ、塗膜剥離
外壁塗装は、経年劣化によって徐々にその機能を失っていきます。
劣化が進むと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 防水機能の低下: 塗膜が劣化すると、雨水が外壁内部に浸透しやすくなり、雨漏りの原因となります。
- ひび割れ: 外壁にひび割れが生じると、そこから雨水が侵入し、建物の構造を損なう可能性があります。
- 塗膜剥離: 塗膜が剥がれると、外壁がむき出しになり、雨風や紫外線によるダメージを受けやすくなります。
3.雨漏りは氷山の一角!外壁の劣化がもたらす深刻な影響
雨漏りは、外壁の劣化によって起こる最も一般的な問題ですが、これ以外にも様々な問題を引き起こす可能性があります。
- カビや腐朽: 雨水が浸入した部分にカビや腐朽が発生し、建物の構造を弱めることがあります。
- 断熱性能の低下: 外壁の劣化により、断熱性能が低下し、冷暖房費の上昇や結露の原因となることがあります。
- 建物の寿命短縮: 放置しておくと、建物の寿命が短くなり、大規模な修繕が必要になる場合があります。
- 資産価値の低下: 外壁が劣化すると、建物の外観が悪くなり、資産価値が低下する可能性があります。
4.雨漏りの原因は一つじゃない!複合的な要因も
雨漏りの原因は、外壁塗装の劣化だけでなく、以下の様な複合的な要因が考えられます。
- シーリングの劣化: 窓枠や外壁の継ぎ目に使用されるシーリング材が劣化すると、そこから雨水が浸入することがあります。
- サッシの老朽化: サッシの隙間から雨水が侵入することもあります。
- 屋根の劣化: 屋根の劣化が原因で、雨水が外壁に流れ込むことがあります。
雨漏り危険度チェック!外壁の劣化サインを見つける
「最近、外壁が少し汚れているような気がするけど、大丈夫かな?」
「雨漏りなんて、まさかうちにはないだろう」
そう思っていませんか?実は、外壁の劣化は、雨漏りだけでなく、建物の寿命を縮めたり、家の価値を下げたりする原因にもなります。
あなた自身でできる簡単なチェック方法から、専門家に見てもらうべきサインまで、外壁の劣化サインを詳しく解説します。
外壁の劣化サインを見つけることで、雨漏りを未然に防ぎ、建物を長持ちさせることができます。
次に紹介するサインに心当たりのある方は、一度専門業者に相談することをおすすめします。
目視で確認できる劣化サイン
ひび割れ:大きさ、深さ、数に注意
外壁にひび割れが見られる場合は、雨水が侵入しやすくなっているサインです。
ひび割れの大きさや深さ、数によって、その危険度は大きく変わります。
塗膜の剥がれ:範囲、場所、進行具合をチェック
塗膜が剥がれている部分では、外壁がむき出しになり、雨風や紫外線によるダメージを受けやすくなります。
剥がれの範囲や場所、進行具合によって、早急に補修が必要な場合があります。
チョーキング:触ると白い粉がつく
外壁を触ると白い粉が付く現象をチョーキングといいます。
チョーキングは、塗膜の劣化が進んでおり、防水機能が低下しているサインです。
シーリングの劣化:ひび割れ、剥がれ、肉痩せ
窓枠や外壁の継ぎ目に使われているシーリング材がひび割れや剥がれを起こしていると、そこから雨水が侵入する可能性があります。
コーキングの劣化:ひび割れ、剥がれ、痩せ
シーリングと同様に、コーキングもひび割れや剥がれを起こすと、雨漏りの原因となります。
変色、退色:部分的な変色、全体的な退色
外壁の色が部分的に変わっていたり、全体が色あせていたりする場合は、塗膜の劣化が考えられます。
カビ、コケ:発生場所、範囲を確認
外壁にカビやコケが生えている場合は、湿気が多く、通気性が悪い状態が続いている可能性があります。
専門家に見てもらうべきサイン
1.外壁材の浮き、反り:触ると動く、音がする
外壁材が浮いたり、反ったりしている場合は、構造的な問題が隠れている可能性があります。
2.錆、腐食:金属部分の劣化
金属部分に錆や腐食が見られる場合は、放置すると劣化が進行し、構造に影響を与える可能性があります。
3.雨漏りの痕跡:シミ、カビ、天井の剥がれ
天井や壁にシミやカビが生えていたり、壁紙が剥がれていたりする場合は、雨漏りが発生している可能性があります。
雨漏りしやすい箇所を重点的にチェック!
外壁の劣化は、雨漏りの原因となり、建物の寿命を縮めるだけでなく、家計への負担も増やします。
これから雨漏りが起こりやすい箇所を重点的にチェックする方法をご紹介します。
定期的に点検を行い、早めの対策を心がけることで、快適な住まいを長く保ちましょう。
開口部周辺
✔ 窓、ドア→サッシ廻り、パッキン
サッシ廻りやパッキンにひび割れや隙間がないか、しっかりと閉まるかを確認しましょう。
✔ 換気口→本体、廻りのシーリング
換気口本体や周囲のシーリングの劣化、網戸の破損がないか確認しましょう。
✔ ベランダ→ドレン、防水層、笠木
ドレンのつまりや、防水層の剥がれ、笠木の腐食がないか確認しましょう。
屋根との境目
✔ 軒天→塗装、シーリング
軒天の塗装の剥がれや、シーリングの劣化がないか確認しましょう。
✔ 破風板→塗装、板の腐食
破風板の塗装の剥がれや、板の腐食がないか確認しましょう。
その他の箇所
外壁と基礎の継ぎ目 | シーリングの劣化やひび割れがないか確認しましょう。 |
クラック(ひび割れ) | 外壁材やモルタル壁にできたクラックは、雨水の侵入経路となります。 |
バルコニー | バルコニーの床の防水層の剥がれや、笠木の腐食がないか確認しましょう。 |
自分でできる応急処置と専門家への相談
外壁の劣化に気づき、応急処置や専門家への相談を検討されている方も多いでしょう。
ご自身でできる応急処置と、専門家に相談すべきタイミングについてお伝えしていきます。
ひび割れへの応急処置:市販の補修材
小さなひび割れであれば、市販の補修材を使って自分で応急処置をすることができます。
しかし、大きなひび割れや、構造に影響を与える可能性のあるひび割れの場合は、必ず専門家に相談しましょう。
専門家に見てもらうタイミング:早めの相談が吉
1) ひび割れが大きくなってきた場合
小さなひび割れでも、放置しておくと大きくなることがあります。
2) 塗膜が剥がれてきている場合
塗膜が剥がれると、外壁がむき出しになり、雨水などが浸入しやすくなります。
3) 雨漏りが発生した場合
雨漏りは、放置すると建物の構造を損なう可能性があります。
4) 外壁にカビやコケが生えている場合
カビやコケは、外壁の劣化を加速させます。
雨漏り発生時の対応:バケツ、ブルーシートなどで二次被害を防ぐ
雨漏りが発生した場合、まずは、バケツやブルーシートなどで雨水を一時的に受け止め、家具や家電製品などが濡れないようにしましょう。
その後、専門業者に連絡し、原因究明と修理を依頼することが大切です。
まとめ|定期的な点検と早めの対策で雨漏りを防ごう
1年に1回は外壁をチェック!
外壁の劣化は、雨漏りだけでなく、建物の構造を弱めたり、資産価値を下げたりする原因となります。
そのため、定期的に外壁の状態をチェックすることが非常に重要です。
- 自分でできるチェック: 上記でご紹介したように、ひび割れ、塗膜の剥がれ、カビ、コケなどの目に見えるサインを自分で確認しましょう。
- 専門家による点検: より詳しい検査が必要な場合は、専門業者に依頼して点検してもらうことをおすすめします。
気になる劣化サインを見つけたら、専門家に相談
外壁に少しでも気になる点があれば、早めに専門業者に相談しましょう。
専門家は、あなたの家の状態を詳しく診断し、最適な塗料や工法などの適切な対策を提案してくれます。
早めの対策で、安心・快適な住まいを維持
外壁の劣化は、早めに対処することで、雨漏りを防ぎ、建物の寿命を延ばすことができます。
何も対処せずに劣化を放置したままでいると、いざ修理する段階で修理費用が大幅に増加したり、建物の構造に影響が出る可能性があります。
外壁は外壁の定期的な点検と劣化に対して早めに対策を施すことで、あなたの大切な家を長く快適な住環境を保ち、資産価値の低下を防ぐことにもつながります。
<具体的な対策>
- 外壁塗装
劣化が進んでいたら、外壁塗装を行うことで、建物を保護し、美観を回復させることができます。 - シーリング工事
シーリングの劣化が原因で雨漏りが起こっている場合は、シーリングの打ち替え工事が必要になります。 - 防水工事
バルコニーや屋上など、防水層が劣化している場合は、防水工事を行う必要があります。