外壁塗装は、外壁を保護し、美観を保つために必要なメンテナンスです。
外壁は、紫外線や雨風などの影響を受けやすく、塗装が劣化すると、さまざまな問題が発生します。
この記事では、なぜ外壁塗装が必要なのか?外壁の劣化サインはどんな症状なのか、そして適切な時期はいつなのか?をご紹介しています。
外壁塗装はなぜ必要なのか
外壁塗装が必要な理由は、主に以下の3つが挙げられます。
1.外壁の保護
2.美観の維持
3.省エネ効果
以下で詳細にご説明します。
1.外壁の保護
外壁は、紫外線や雨風、酸性雨などの影響を受けやすく、塗装が劣化すると、以下のような問題が発生します。
- ひび割れや剥がれが発生し、雨水が浸入しやすくなる
- カビや藻が発生し、見た目が悪くなる
- 外壁材が腐食し、強度が低下する
外壁塗装は、これらの問題を防ぐために、外壁に保護膜を形成します。
保護膜は、紫外線や雨風から外壁を守り、ひび割れや剥がれを防ぎます。
また、カビや藻の発生を抑制し、外壁材の腐食を防ぎます。
2.美観の維持
外壁の色や質感を美しく保つためにも、外壁塗装は必要です。
塗装が劣化すると、外壁の色褪せや変色、ひび割れなどが目立ち、見た目が悪くなります。
外壁塗装を行うことで、外壁の色や質感を回復し、見た目を美しく保ちます。
また、塗装の色や質感を変えることで、外観の印象を変えることもできます。
3.省エネ効果
外壁塗装には、省エネ効果もあります。
塗料の断熱効果で、夏は暑さ対策として室内の温度上昇を抑えたり、冬は寒さ対策として室内の温度低下を抑えたりできます。
塗装を行うことで、塗料によっては紫外線を反射する効果があるため、室内に侵入する熱を抑えることができます。
また、熱を蓄える効果がある塗料は、室内の熱を逃がしにくくすることもできます。
外壁の状態や塗料によって、塗装の必要性や塗り替え時期が変わります
外壁材や塗料の耐用年数は、おおよそ以下の通りです。
外壁材の耐用年数
窯業系サイディング (セメントを主原料とした外壁材) | 約20~40年 |
金属系サイディング (表面にメッキ塗装が施された鋼板) | 約20~30年 |
木質系サイディング (木材の板状の外壁材) | 約15~25年 |
樹脂系サイディング (塩化ビニル樹脂を主原料とした板状の外壁材) | 約20~30年 |
モルタル (水とセメントや砂で混ぜ合わせた素材) | 約20~30年 |
コンクリート壁 | 約60~100年 |
塗料の耐用年数
シリコン塗料 | 約10~15年 |
ラジカル制御塗料 | 約14~16年 |
フッ素塗料 | 約15~20年 |
無機塗料 | 約20~25年 |
外壁塗装が必要になる判断基準は、住まいの劣化サイン
外壁塗装が必要かどうかは、住まいの劣化サインを確認することで判断できます。
- 塗料のひび割れ(クラック)
- 壁を触ると手に粉がつく(チョーキング現象)
- 変色・色褪せ
- コケやカビが生えている
- 塗装の剥がれ・膨らみがある
- コーキングの剥がれ・ひび割れ
外壁塗装はいつするべきか?
外壁塗装の塗り替え時期は、先に述べた外壁材や塗料の耐用年数を目安にするのが一般的です。
ただし、上記の耐用年数はあくまでも目安であり、実際の塗り替え時期は、外壁の劣化状況によって異なってきます。
<劣化サインが見られる場合>
上記の劣化サインが見られる場合は、早めに塗り替えを検討しましょう。
- 劣化サインが見られる場合:早急にメンテナンス必要あり
- 劣化サインが見られない場合:症状が見られるまでメンテナンス必要なし
<外壁塗装に適した時期>
また、外壁塗装の時期は、気候や作業条件によっても異なります。
- 春(3~4月):気温が上がり、塗料の乾燥が早い
- 秋(9~10月):気温が下がり、塗料の乾燥がゆっくり
年間通して塗装は可能です。
立地条件・環境により異なりますが、常に天候を意識しながらスケジュールを組んでいます。
その中でも春と秋がおすすめ時期です。
外壁塗装をしなくて済むケースがあるって知ってますか?
1.解体や建て替え予定がある場合
外壁塗装は、外壁の劣化を防ぐためのメンテナンスです。
そのため、解体や建て替えを予定している場合は、外壁塗装をする必要はありません。
ただし、解体や建て替えの時期が未定の場合は、外壁塗装をしておくとよいでしょう。
外壁塗装をしておけば、外壁の劣化を防ぐことができ、売却をする際には高査定になるでしょう。
2.10年以上放置予定がある場合
外壁塗装の耐用年数は、外壁材や塗料によって異なります。
耐用年数を超えて放置すると、外壁が劣化し、雨漏りや腐食などのリスクが高まります。
外壁塗装をせずに放置する場合は、定期的に外壁の劣化サインをチェックし、必要に応じて補修やメンテナンスを行う必要があります。
3.外壁塗装の必要がない外壁材を使用している場合
外壁塗装が必要な外壁材としては、窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタルやコンクリート壁などが挙げられます。
一方、タイルやレンガ、樹脂系サイディング、ガルバリウム鋼板などは、塗装が不要な場合もあります。
これらの外壁材は、耐久性や耐候性に優れているため、塗装をせずに使用することができます。
ただし、これらの外壁材でも、経年劣化によってひび割れや変色などが生じる場合があります。
定期的に外壁の劣化サインをチェックして、必要に応じて補修やメンテナンスを行ってください。
4.耐用年数の長い塗料を使用している場合
塗料には、フッ素塗料など、耐用年数が長いものもあります。
耐用年数20~30年の塗料を使用している場合は、10年前後での塗り替えの必要がありません。
ただし、塗料は紫外線や雨風などの影響を受け、劣化していきます。
外壁の劣化サインを確認し、必要に応じて補修やメンテナンスを行う必要があります。
外壁塗装が必要ない家や劣化しにくい素材とは?
外壁塗装が必要ない家や劣化しにくい素材は、主に以下の通りです。
1.タイル
2.レンガ
3.樹脂系サイディング
4.ガルバリウム鋼板
それぞれの素材の特徴を詳しく説明します。
1.タイル
タイルはセメントや石粉を焼き固めたもので、表面に凹凸があります。
塗料が剥がれにくく、また、塗装をせずに使用することができます。
耐久性と耐候性に優れています。
2.レンガ
レンガは、焼き固めた粘土で作られたもので、タイル同様に表面に凹凸があります。
紫外線や雨風などの影響を受けにくいため、耐久性と耐火性に優れています。
3.樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、樹脂でできたサイディングです。
紫外線や雨風などの影響を受けにくいため、耐久性と耐候性に優れています。
また、色褪せやひび割れなどの劣化が起こりにくいため、塗装の必要性が低くなります。
4.ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、亜鉛メッキ鋼板にアルミニウム合金をコーティングしたものです。
亜鉛メッキ鋼板の耐食性と、アルミニウム合金の耐候性を兼ね備えているため、耐久性と耐候性に優れています。
また、色褪せやひび割れなどの劣化が起こりにくいため、塗装の必要性が低くなります。
まとめ
外壁塗装は、外壁を保護し、美観を保つために必要なメンテナンスです。
外壁の劣化サインを確認し、適切な時期に塗り替えを行いましょう。
外壁材や塗料の種類によっては、塗装の必要性が低い場合もあります。
お住まいの外壁がどのような素材で作られているのか、また、どのような塗料が塗られているのかを確認しておきましょう。
ただし、外壁塗装が必要ない家や劣化しにくい素材であっても、定期的に外壁の劣化サインをチェックして、必要に応じて補修やメンテナンスを行う必要があります。