屋根塗装・外壁塗装は、家の寿命を延ばし、美観を保つために欠かせない重要な作業です。
しかし、悪質な業者や不適切な施工方法によって、本来の効果が得られなかったり、思わぬトラブルが発生したり、失敗を招くケースも少なくありません。
この記事では、屋根塗装・外壁塗装でよくある失敗例と、失敗を防ぐために最適な業者を選ぶためのポイントをご紹介いたします。
屋根塗装・外壁塗装でよくある失敗例
事前準備や下処理を徹底し、適切な塗料を選ぶことで、屋根塗装・外壁塗装の品質を向上させ、長持ちする仕上がりを実現できます。
しかし、主に次の4つの点から仕上がりが失敗した例があるようです。
1.事前準備や下処理不足による失敗
塗装前の屋根表面の汚れやサビ、古い塗料の除去などの下準備が足りない
塗装前の準備作業は、塗装の仕上がりに大きく影響します。
特に、屋根表面に付着している汚れやサビ、古い塗料の除去は欠かせません。
これらの不純物が残ったまま塗装を行うと、塗料がしっかりと密着せず、早期に剥がれたり、色あせが発生したりします。
例えば、サビが残っていると、その部分が腐食し、塗装の耐久性が大幅に低下します。
したがって、塗装前には高圧洗浄やサンドペーパーなどを使用して、徹底的に表面を清掃することが重要です。
特に、屋根表面の汚れやサビをしっかり除去することが重要です。
塗装前の下地処理工程の確認を怠り、塗料の剥がれや色あせが発生
下地処理は塗装の品質を左右する非常に重要な工程です。
具体的には、クラック(ひび割れ)の修復、シーリングの打ち直し、プライマーの塗布などがあります。
これらの作業を怠ると、塗料が下地にしっかりと密着せず、結果的に塗料の剥がれや色あせが発生します。
例えば、プライマーを適切に塗布しないと、塗料がすぐに剥がれてしまい、再塗装が必要になることがあります。
業者がこの工程を確実に行っているか、事前に確認することが必要です。
適切な塗料選びをせず、耐久性や機能性が低下した
塗料の選び方も重要なポイントです。
塗料には、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系など様々な種類があり、塗料の種類や品質によって、耐久性、耐候性、防水性、遮熱性などの性能が異なり大きな差が出ます。
例えば、安価なアクリル系塗料は耐久性が低く、短期間で再塗装が必要になることが多いです。
一方、高価なフッ素系塗料は長期間持ちますが、初期費用が高いです。
家の環境や予算に応じて、最適な塗料を選ぶことが大切です。
屋根や外壁の素材や状態に合う適切な塗料を選ばないと、本来の効果が得られないばかりか、すぐに劣化し、再塗装が必要になることがあります。
塗料の選択に際しては、専門業者に相談し、最適な塗料を提案してもらうことが推奨されます。
2.悪天候による失敗
天候条件を十分に考慮した上で施工スケジュールを立てることが重要です。
悪天候が予想されるのに無理に作業を進めてしまうと、次のようなリスクが発生する可能性があります。
スケジュール都合で雨天に施工してしまい塗膜不良
屋根塗装や外壁塗装は、天候の影響を強く受ける作業です。
特に雨天時に施工を行うと、塗料が適切に乾燥せず、塗膜不良が発生するリスクが高まります。
塗料が濡れると、密着性が低下し、仕上がりが悪くなるだけでなく、早期に剥がれやすくなります。
塗膜不良が発生すると、再塗装が必要になるため、追加の費用と手間がかかります。
施工スケジュールを調整し、天候に配慮して作業を行うことが重要です。
特に梅雨や台風シーズンなどの雨が多い時期は、避けるようにしましょう。
(※すべて梅雨・台風の時期が悪いわけではなく、壁の状態をしっかり把握しての工事は可能です)
強風による足場倒壊などの事故が発生
強風の中での施工は、非常に危険です。
足場が倒壊するなどの事故が発生する可能性があり、作業員の安全が脅かされるだけでなく、建物自体にも大きな損害を与えることがあります。
例えば、足場が倒れると、塗装中の建物に傷がついたり、破損したりすることがあります。
また、塗料が風に飛ばされて周囲の物に付着することもあり、近隣住民とのトラブルの原因にもなります。施工業者は、天候条件を常にチェックし、安全な環境で作業を行うことが求められます。
気温・湿度管理不十分による塗料の硬化不良
塗料の硬化には適切な気温と湿度が必要です。
気温が低すぎると塗料がうまく硬化せず、逆に気温が高すぎると塗料が急速に乾燥し、均一な塗膜を形成できません。
また、湿度が高すぎると塗料が水分を吸収し、硬化不良を引き起こします。
例えば、冬場や梅雨時期の高湿度環境では、塗料の硬化が不十分となり、塗膜が早期に劣化することがあります。
施工業者は、気温と湿度を考慮した施工計画を立て、適切なタイミングで作業を行うことが必要です。
専用の機器を使用して、現場の気象条件を常に監視することも有効です。
3.適切なメンテナンスの怠り
定期的な点検と補修を怠り、必要な時期に適切な対策を講じないと次のようなリスクが発生します。
定期点検・補修を怠り、早急な修繕が必要になった
塗装後の定期的な点検や補修は、塗膜の状態を維持し、建物の美観や機能を長期間保つために欠かせません。
しかし、多くの人は塗装が完了した後、点検や補修を怠ることが多いです。
塗装後の定期点検や補修を怠ると、小さな傷やひび割れが放置されてしまい、その結果、塗膜の劣化に気づかず、問題が進行してから初めて大掛かりな修繕が必要になるケースがあります。
例えば、小さなひび割れや塗膜の剥がれが放置されると、そこから雨水が浸入し、建物内部の腐食やカビの発生を引き起こすことがあります。
定期的な点検と早期の補修を行うことで、こうした大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
塗膜劣化による美観損失や防水機能低下
塗膜の劣化は、建物の外観に大きな影響を与えるだけでなく、防水機能の低下にもつながります。
塗膜が劣化すると、色あせや剥がれが発生し、建物全体の美観が損なわれます。
さらに、塗膜が薄くなり、防水性能が低下すると、雨水が建物内部に浸入しやすくなります。
これにより、内部構造の腐食やカビの発生、さらには室内環境の悪化を引き起こす可能性があります。
美観と防水性能を維持するためには、定期的に塗膜の状態をチェックし、必要に応じて補修を行うことが重要です。
早期に劣化し塗装費用が増えた
適切なメンテナンスを怠ると、塗膜が早期に劣化し、再塗装が必要になる頻度が高まります。
特に、紫外線や雨風にさらされる屋根や外壁は、メンテナンスが不十分だと短期間で劣化が進行します。
再塗装が頻繁に必要になると、結果的に塗装費用が増加し、経済的な負担が大きくなります。
例えば、最初の塗装から数年で再塗装が必要になると、塗装費用が倍増するだけでなく、その間の建物の保護機能も低下します。
定期的なメンテナンスを行うことで、塗装の寿命を延ばし、長期的なコストを抑えることが可能です。
メンテナンスを怠らないことが重要です。
4.高圧洗浄によるダメージ
高圧洗浄は、屋根塗装や外壁塗装の成功に欠かせない工程ですが、正しい方法で行わなければ逆効果となるようです。
水圧調整ミスによるで外壁や屋根の破損
高圧洗浄は、塗装前の下地処理として非常に有効な方法ですが、使用する水圧の調整を誤ると、外壁や屋根にダメージを与えることがあります。
特に古い建物や素材が劣化している場合、高すぎる水圧は外壁や屋根の表面を破壊し、ひび割れや欠けを引き起こします。
例えば、モルタルやサイディング材は高圧洗浄に対して脆弱であり、適切な水圧で洗浄しなければなりません。
したがって、業者が洗浄時に使用する水圧を正確に管理することが不可欠です。
傷やヒビ割れの拡大した
高圧洗浄によって既存の傷やひび割れが拡大することもよくあります。
すでに発生している小さな傷やひび割れは、水圧によってさらに広がり、深刻な構造的問題を引き起こす可能性があります。
例えば、微細なひび割れが高圧洗浄で広がり、その後の塗装工程で目立つようになることがあります。
高圧洗浄前には、建物全体をよく点検し、既存の傷やひび割れを確認しておくことが重要です。
また、必要に応じてこれらの傷を事前に補修してから適切な圧力で洗浄作業を行うことが推奨されます。
塗膜剥離の原因になった
高圧洗浄機による強い水圧が原因で塗膜が剥離するケースも見られます。
特に、古い塗膜がしっかりと密着していない場合、高圧洗浄の強力な水流が塗膜を剥がしてしまうことがあります。
このような塗膜剥離は、見た目の問題だけでなく、防水性の低下や再塗装の必要性を引き起こします。
塗膜剥離が発生すると、その部分から水分が浸入し、建物内部にダメージを与えるリスクが高まります。
適切な水圧での洗浄と、塗膜の状態を事前にチェックすることが、塗膜剥離を防ぐために重要です。
失敗を防ぐために!6つのポイント
以下の6ポイントを押さえることで、屋根塗装・外壁塗装の失敗を防ぎ、満足のいく仕上がりを実現できます。
しっかりと事前準備を行い、信頼できる業者を選ぶことが屋根塗装・外壁塗装の成功の鍵です。
1.適切な知識と技術、資格を持つ施工業者を選ぶ
屋根塗装や外壁塗装を成功させるためには、適切な知識と技術を持った施工業者を選ぶことが重要です。
専門的な資格や訓練を受けた業者は、最新の技術や材料に関する知識を持ち、品質の高い仕上がりを提供できます。
例えば、塗装技能士の資格を持つ業者や、特定の塗料メーカーから認定を受けた業者を選ぶことで、安心して依頼できるでしょう。
また、業者の技術力や知識は、過去の実績や顧客の評判を通じて確認することもできます。
施工内容や工程を明確に説明できる業者を選びましょう。
2.過去の施工実績・事例を確認
業者の信頼性を確認するためには、過去の施工実績や事例をチェックすることが重要です。
業者が過去にどのようなプロジェクトを手がけてきたのか、その結果はどうだったのかを知ることで、業者の技術力や品質を判断できます。
例えば、業者のウェブサイトに掲載されている施工事例や、顧客の口コミを参考にすると良いでしょう。
また、実際に業者が手がけた物件を見学できる場合は、現地に足を運んで確認するのも有効です。
最近はSNSで実際に施工した建物の写真や動画を実績として掲載されているケースも多いです。
ぜひチェックしてみましょう。
3.業界団体への加入状況を確認
信頼できる業者を選ぶためには、その業者が業界団体に加入しているかどうかを確認することも一つの基準となります。
一般社団法人 全国塗装工業会などの業界団体に加入している業者は、一定の基準を満たしていると認められており、品質や信頼性が高いことが期待できます。
例えば、日本塗装工業会や各地域の塗装業協会に加入している業者は、最新の技術や情報を共有し、品質向上に努めていることが多いです。
業者の加入状況を団体ホームページなどで確認してみましょう。
4.保証内容(補償範囲や期間)を確認する
施工後の万が一のトラブルを防ぐためには、業者が提供する保証内容を事前に確認することが重要です。
保証内容には、補償の範囲や期間が含まれます。
例えば、塗膜の剥がれや色あせなどの不具合が発生した場合、どの程度の補償が受けられるのか、保証期間はどのくらいかを確認しましょう。
明確な保証が提供されている業者を選ぶことで、施工後も安心して過ごすことができます。
できる限り長期間の保証を提供している業者を選びましょう。
5.契約内容の詳細は文書で確認する
口頭での約束は曖昧になりがちです。
契約内容の詳細は必ず文書で確認し、詳細を把握しておきましょう。
施工内容、使用する塗料の種類や量、施工期間、費用、保証内容など、すべての条件を文書で明確にすることが重要です。
不明点があれば、必ず確認する事が大切です。
文書化しておくことで、後々のトラブルを防ぎ、双方が納得した上で施工を進めることができます。
また、契約書は必ず保管しておき、必要に応じて確認できるようにしておきましょう。
6.クーリングオフ制度を確認する
契約後に後悔しないためにも、クーリングオフ制度の有無を確認しましょう。
クーリングオフ制度があると、一定期間内であれば契約を解除できるため、不安や疑問がある場合でも安心して契約を進めることができます。
特に訪問販売や電話勧誘販売などで契約した場合、クーリングオフ制度が適用されることが多いため、契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。
クーリングオフ制度について、業者から詳しく説明してもらいましょう。